
人材育成マガジン
AI時代の次世代経営人材をどう育てるか――約1,000名のアセスメントから見えた課題と「構想力」

日本企業の次世代経営人材候補には、ある共通した課題が見られます。
Aoba-BBT 代表取締役兼社長執行役員の政元竜彦は、日本企業の次世代経営人材候補を約1,000名直接アセスメントしてきた経験から、「与えられた課題をどう実現するかというHowから考えやすい」「そもそも、その方向性は正しいのかと問い直す批判的思考が弱い」「自社や自部門に視野が閉じやすい」といった傾向を指摘しています。
これは候補者の能力が低いという話ではありません。むしろ、知識が豊富で、与えられた課題を確実に遂行してきた人材だからこそ、現在の評価軸では高く評価されてきたとも考えられます。
しかし、AIが既存情報の整理や分析を担える領域が広がり、これまでの延長線上に正解がない経営環境では、それだけでは十分ではありません。
これからの経営人材には、前提そのものを問い直し、まだ見えていない将来を考え、その中で自社がどの方向へ進むのかを描く力が求められます。Aoba-BBTでは、この力を「構想力」と捉えています。
本記事では、政元の解説をもとに、AI時代の次世代経営人材に必要な力、日本企業の候補者に見られる課題、選抜・育成で問い直すべきポイントを整理します。
目次
AI時代の経営人材に必要な「構想力」とは
AIは、すでに存在する大量のデータをもとに、情報を整理し、組み合わせて答えを導き出すことを得意としています。
一方、経営者が向き合うのは、まだ十分にデータになっていない将来です。
5年後、10年後に社会はどう変わるのか。顧客の行動や価値観はどう変わるのか。その中で自社はどのような役割を担うのか。
政元は、こうした将来の姿を考え、自社の新しい方向性を描く力を「構想力」と説明しています。
これは、今ある製品や事業を改善する力とは異なります。
既存の枠組みの中でより良い答えを探すだけではなく、必要であれば枠組みそのものをつくり直し、新しい方向性を示すことが求められます。
AI時代に問われるのは、Howを高度化する力だけではなく、「そもそも何を目指すのか」を自ら考える力です。
動画:AI時代の経営人材に必要な「構想力」とは?
政元が、AI時代に人間だからこそ求められる力と、「構想力」が単なる改善やアイデア発想とは何が違うのかを解説します。
構想力そのものの定義や、どのような思考によって未来を描くのかについては、以下の記事で詳しく整理しています。
関連記事:
構想力とは?未来を描き、ゼロから価値を築くための思考
日本企業の次世代経営人材に足りないもの
では、日本企業の次世代経営人材候補には、どのような課題が見られるのでしょうか。
政元は、約1,000名を直接アセスメントしてきた経験から、候補者は優秀で知識も豊富である一方、「与えられた方針をどう実現するか」というHowから考えやすい傾向があると指摘しています。
一方で、
「そもそも、その方向性は正しいのか」
と前提を問い直すことや、自社・自部門の外に視野を広げることは、十分ではない場合があります。
既存事業を確実に遂行する場面では、Howを考え抜く力は欠かせません。しかし、経営環境そのものが変わり、従来の方向性を見直さなければならない局面では、それだけでは足りません。
次世代経営人材には、与えられた課題を解くだけではなく、WhyやWhatから考え直せる力が求められます。
では、こうした人材を企業はどのように選び、育てていけばよいのでしょうか。
動画|日本企業の次世代経営人材に足りないものとは?
約1,000名のアセスメントから見えた、次世代経営人材候補に共通する課題と、経営人材に求められる思考について解説します。
次世代経営人材を「リーダーらしさ」だけで選んでいないか
経営人材育成というと、「候補者をどう育てるか」に目が向きがちです。
しかし、その前に確認すべきなのが、そもそも誰を候補者として選んでいるのかという点です。
政元が紹介する大手上場企業23社・研究開発者130名を対象とした調査では、高い成果を上げた人材は一つのタイプには収まりませんでした。
一般的に「リーダーらしい」と評価されやすいタイプがいる一方で、そうした人物像とは異なる特徴を持ちながら、大きな成果を生み出している人材もいました。
ここから見えてくるのは、一つの理想像だけで経営人材候補を選ぶことのリスクです。
現在の組織で評価されやすい人物像と、これから新しい事業や変革を生み出せる人物像が、必ずしも一致するとは限りません。
だからこそ、次世代経営人材は一種類の人物像に当てはめるのではなく、経営チーム全体のポートフォリオとして捉える視点が必要になります。
では、自社ではどのような人材を候補者として見落としている可能性があるのでしょうか。
動画|次世代経営人材を「リーダーらしさ」だけで選んでいないか?
高成果人材の調査から、一般的なリーダー像だけでは捉えきれない人材と、経営人材選抜の盲点について解説します。
経営人材に必要な「自分で答えを出す力」とは
経営には、あらかじめ用意された正解がありません。
与えられた課題を解くだけではなく、
「そもそも、自分は何に取り組むべきなのか」
という問いそのものを、自ら定義する必要があります。
そのためには、自社や顧客、市場についてファクトを集め、問いを立て、他者との議論を通じて考えを深め、自分なりの方向性を出していく必要があります。
重要なのは、知識を持っていることだけではありません。
答えのない課題について、自ら考え、結論を出す経験をどれだけ積んでいるか。
次世代経営人材育成では、この反復をどのように設計するかが重要になります。
では、そのために企業はどのような学習機会や経験を用意すべきなのでしょうか。
動画|経営人材に必要な「自分で答えを出す力」とは?
経営者に求められる「自分で答えを出す力」と、答えのない経営課題に向き合う思考について解説します。答えのない経営課題について考えるトレーニングについては、以下の記事でも紹介しています。
関連記事
不確実な時代を生き抜く「次世代経営者育成」のための思考訓練「RTOCS®」とは
次世代経営人材育成は「研修だけ」で完結しない
ここまで見てきたように、AI時代の経営人材育成で問われているのは、単に研修科目を追加することではありません。
誰を候補者として選ぶのか。
どのような問いや経験を与えるのか。
自社・自部門の外に視野を広げる機会をどうつくるのか。
そして、既存の評価基準では見えにくい人材の可能性を、どう捉えるのか。
つまり、次世代経営人材育成は、選抜・育成・経験・配置・評価を切り離して考えることができません。
AIが既存情報の整理や分析を担える領域が広がるほど、経営人材には「何を問うのか」「何を目指すのか」「どの方向へ進むのか」を自ら定める力が求められます。
では、企業はその力をどのように見極め、どのように育成していけばよいのでしょうか。
次世代経営人材を、実際にどう選び・育てるのか
本記事では、AI時代の経営人材に必要な力と、日本企業の候補者に見られる課題を中心に紹介しました。45分のセミナー本編では、政元竜彦が、実際の企業・人材の事例や調査を交えながら、
- 高い成果を生み出した人材は、どのように育ってきたのか
- 従来のリーダー選抜では、どのような人材を見落とす可能性があるのか
- 構想力を育てるために、インプットとアウトプットをどう設計するのか
- 採用・育成・評価・配置をどう見直すべきか
- 答えのない経営課題に向き合う力を、どのように反復して鍛えるのか
- Aoba-BBTでは、経営人材育成をどのように設計しているのか
まで踏み込んで解説しています。
実際にどう育成するのかまで確認したい方は、セミナー本編をご覧ください。
※2024年12月24日に開催したセミナーのアーカイブ動画です。
※お申し込み後、すぐにご視聴いただけます。
自社の次世代経営人材育成を見直したい方へ
次世代経営人材育成では、研修内容だけでなく、候補者の選抜基準、育成テーマ、アセスメント、他流試合・越境機会、配置・評価などを、自社の経営課題と接続して考える必要があります。
Aoba-BBTでは、企業ごとの課題や求める経営人材像を踏まえ、次世代経営人材育成の設計をご支援しています。
たとえば、
- 経営人材候補の選抜基準を見直したい
- 育成施策を実施しているが、経営視点や構想力の変化が見えにくい
- 次世代経営人材にどのような経験を与えるべきか整理したい
- 自社の経営課題に合わせて育成体系を再設計したい
といった課題をお持ちの場合は、オンライン面談にて、お気軽にご相談ください。
このような方におすすめです
- 次世代経営人材・サクセッションプランの企画を担当している方
- 経営人材候補の選抜基準を見直したい方
- 次世代リーダー育成施策を再設計したい人事・人材開発担当者
- 新規事業や事業変革を担う人材を育成したい方
- AI時代に求められる経営人材の要件を整理したい経営層・部門責任者
登壇者
政元 竜彦
株式会社Aoba-BBT
代表取締役兼社長執行役員兼最高経営責任者(CEO)兼チーフコンテンツオフィサー(CCO)
大手総合商社にて、主にオセアニア地区の植林・木材加工事業に従事。約4年間の海外駐在時には、海外事業のマネジメントを経験。
Aoba-BBT参画⋆は、新規事業や教育コンテンツの企画・開発、経営人材育成に携わる。長年にわたり次世代経営人材候補の育成・アセスメントに従事し、現在までに4,000人以上の経営人材候補の育成に関与している。慶應義塾大学経済学部卒業。
⋆当時の会社名は、「株式会社ビジネス・ブレークスルー」
注意事項
- 本映像講座の無料視聴は、事前のご案内なく終了する場合があります。あらかじめご了承ください。
- セミナー本編をお申し込みいただいた方には、経営者や人事、企業の人材育成ご担当者を対象としたオンライン映像講座などのご案内をお届けします。
- 経営者・人事・企業の人材育成ご担当者を対象としています。同業の方、個人の学習目的の方のご参加はご遠慮いただいております。












